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劇団四季『ノートルダムの鐘』2幕のあらすじを徹底解説!ネタバレ有

皆さんこんにちは!ムビ8管理人のアイランドです!

本日は劇団四季『ノートルダムの鐘』の2幕について詳しく解説していきます!

※個人の見解や感情が入っておりますのでご承知おきください(笑)

はじめに

さて物語はいよいよ第二幕へ。

エスメラルダを中心に交錯するカジモド、フロロー、フィーバスの想い…。

それぞれの立場で考えてみると想像が膨らむと前の記事でご紹介させていただきましたが、いかがでしょうか。もうこの重厚な世界観に没入できていませんか?

カジモドが報われて欲しい!フロロー最低!フィーバスかっこいい!など様々。

愛は、カジモドの背負った残酷な宿命を変えることはできるのでしょうか。

この物語の本質とは?そう「人間と怪物」の違いですよね。

この点を考えながら、悲劇へと向かっていく第二幕。どうぞご覧ください…!

オープニング

1幕のオープニングはクワイヤ(聖歌隊)の皆さんとともに印象的かつ重厚なコーラスで飾ったのですが、2幕のオープニングでも素晴らしい歌声でメドレーのように披露してくれます!ここはクワイヤのみでの歌唱。必見です…!

ですので2幕前は早めにお席に戻ることをおすすめします(笑)

さあ!舞台は燃え盛るパリ。1幕ラストで脱出したエスメラルダが負傷したフィーバスを抱えて、カジモドのいる大聖堂に到着するところから始まりますよー!

エジプトへの逃避

燃え盛るパリを見てエスメラルダを心配に想い大聖堂を走り回っているもとに、エスメラルダと負傷したフィーバスが現れます。「なんでこいつが!」と敵意をむき出しにしますが、彼女にフィーバスを匿って欲しいと頼まれます。

「ご主人様が…」と一旦は躊躇しますが、了承し、匿うことにしました。

フィーバスが動けるようになったら、奇跡御殿に連れてきて欲しいと、魔除けのペンダントをカジモドに渡します。

「奇跡御殿はどこに?」とカジモドは問いますが、「パリの街はあなたの手の中よ」とエスメラルダは言い残し、そっと頬にキスをしてその場を去りました。

ガーゴイルたちに彼女を行かせたことに対し叱責を受けます。そこで以前にフロローに聞かされていた「エジプトの逃避」に出てきた聖アフロディージアスの話をふと思い出すと、その偉人がカジモドの目の前に現れます。ペンダントの示す先について「どこかで見たことあるんじゃないか?」と助言をくれたのでした。

カジモドは「これはここから見た街の地図だ!」と気が付きます。しかしそこにフロローが現れ、フィーバスとペンダントをとっさに隠しますが、大袈裟な振る舞いに怪しむフロロー。

「ここにあの女が来ていないか?」「いいえ、知りません…!!」

カジモドは生まれて初めて嘘をつきました。しかし、フロローは「奇跡御殿を明朝に襲撃する」と意味ありげに情報を漏らし、去っていくのでした。

この会話を聞いていたフィーバスは「エスメラルダは僕が助ける」と言うが、カジモドは「彼女は僕にペンダントをくれたから僕が行くんだ!」と譲りません。

カジモドが先に大聖堂を飛び出し、フィーバスは後を追いかけていきます。

そして二人は「奇跡御殿」にいるエスメラルダを探し迷路のような夜の街へ…。

奇跡御殿

ようやく見つけた「奇跡御殿」に到着したのも束の間。クロパンとジプシーたちに捕らえられ裁判にかけられた結果、なんと絞首刑を言い渡されてしまいますが、エスメラルダは彼らは仲間だとクロパンを説得し、二人は釈放されます。

そしてフロローが夜明けにここを襲撃してくることを伝え、クロパンは最初は疑いますが、やがてこの言葉を信じジプシーたちに逃げる準備をしろと命令。

フィーバスはエスメラルダに「一緒に逃げよう」と言いますが「どこへ?」とエスメラルダ。続いてカジモドが「僕が君を守るよ」と声をかけますがカジモドの身を案じて優しく断ります。

フィーバスとエスメラルダは次第に惹かれ合い、カジモドは「僕は醜いから、報われるはずなんてなかったんだ」とショックを受けます。

手を取り合うエスメラルダ、フィーバス、クロパン、ジプシーたち。カジモドはその光景をただ遠くから眺めているしかありませんでした…。

そこへフロローが警備隊を従え急襲してきます。突然の事態になすすべもないジプシーたち。フロローはカジモドにカマをかけ、後をつけてきていたのです。

クロパンだけは「我々は負けない!」と煙幕でその場を脱出しますが、フロローは気にも留めず、エスメラルダとフィーバスは捕らえられ、カジモドは大聖堂に閉じ込められてしまうのでした…。

いつか

独房に入れられたエスメラルダのもとにフロローが近づいてきます。

「私の女になればお前を救ってやれる」と誘いますが、エスメラルダは「それでは助かったことにならない!」と拒絶します。これに対し「それならフィーバスのことはどうだ!」と切り返し、「彼は助けて欲しい」とエスメラルダ。

交換条件にフィーバスのことを引き合いに出してくるという劣悪ぶり。

これに対してエスメラルダは「あなたは怪物よ!」と罵ります。

フロローは「いや私は怪物じゃない、人間なんだ!お前を愛している!」と、自身のポケットに入れていた、いつしかの彼女の赤いスカーフを取り出し、縛り上げようとします。

エスメラルダは危険を感じ、フロローの顔に爪を立てて悲鳴を上げます。

この悲鳴を聞きつけてフィーバスに代わって警備隊長となったフレデリックが駆け付けます。フロローは「二人で話し合う最後の時間をやる。お前が考え直すなら最後にはならない」と告げ、フレデリックにフィーバスを連れてこさせ、長い時間二人にさせないように命令し、この場を去っていきます。

エスメラルダは、フロローに出された残酷な条件をフィーバスに伝えますが「僕はどうなったっていい!助かるためならなんだってするんだ!」とフロローの条件を呑むようにすすめます。

友人のフレデリックにフィーバスは助けを乞いますが、「夜明けにまた来ます」とせめてもの計らいで二人だけの時間を作ってくれました。

二人きりになったエスメラルダとフィーバス。フィーバスは後ろからエスメラルダを抱きしめ、エスメラルダは涙を流します。

そして二人は、世界がいい方向に変わるように祈り、抱き合い、キスをして、最後となる夜をともに過ごすのでした…。

石になろう

「奇跡御殿」でフロローの襲撃を受けた後、大聖堂に閉じ込められたカジモド。

「僕なんて醜いだけだ」「君たち(石像)の話は嘘ばかりだ」「もううんざりだ」

自身のこれまでの行動を後悔し、自暴自棄になって「石になってしまおう」という結論に至ります。

石像たちはこれまでにカジモドを様々な場面で励まし、心を通わせてきました。その友人たちにカジモドは次々と感情を剥き出しにしていきます。

「君たちに僕の何がわかるんだ、石のくせに」「地獄を見た」「ご主人様の言う事を信じる方がマシだ」といった言葉を浴びせます。

そして石像たちは「いいよ好きにしなさい」「どうせ私たち石だものね」とカジモドの言う事を静かに受け止め、意志の通わないただの石となってしまいます。

そしてカジモドは一番の理解者であった友人たちを失い、一人ぼっちに…。

「僕は今日から、涙忘れ、石になろう、心閉ざして」と悲痛なる高音を駆使して歌い上げられるこの曲が、

「石になろう(Made of Stone)」です。。個人的に一番好きなナンバーです。

今まで温かく、見放さずに見守ってきた石像たちが、静かにただの石になってしまう光景、カジモドの悲痛な叫び、涙なくしては聴けません。

カジモドは固く凍り付いた石と化す一方で、エスメラルダの処刑の時は刻々と近づいてくるのでした…。

フィナーレ

物語はいよいよクライマックス。エスメラルダが処刑台へ連れていかれます。

処刑の直前に「考え直す気になったか」フロローはエスメラルダの耳元で囁く。

エスメラルダは何も言わず、フロローの顔に唾を吐きかけました。そしてフロローは処刑台に火を付けます。燃え盛る処刑台とエスメラルダ。

その姿を見ていたカジモドはもう石ではいられなかった!大聖堂の垣根を超えて、一直線に処刑台へ!エスメラルダを救出し、

「サンクチュアリ―!聖域だー!」と大聖堂に立て籠もります。二人を追いかけるフロローは大聖堂の扉をぶち壊してでもこじ開けろと指示します。

大聖堂を壊さんとするフロロー一行。その時、以前に姿をくらませていたクロパンが颯爽と登場し、囚われていたフィーバスを救い出します。

フィーバスは「こんなことを許すのか、皆の為に立ち上がれ!」と民衆を鼓舞し、フロロー一行に立ち向かいますが、ついに扉をこじ開けられてしまいます。

大聖堂に立て籠もっていたカジモドは救出したエスメラルダをそっと降ろし、「ここにいればいいよ、永遠に!」と声をかけますが「永遠にはいられないと思う、あなたは素敵な友達よカジモド」とそっとキスをし、息を引き取ります。

嗚咽するカジモド。そこにフロローが到着し「死んだのか」と呟き、「また最初からやり直そう」とカジモドを抱きしめます。カジモドはその手を振り払い「お前のせいだ!」とご主人様であるフロローをお前と呼びます。

「いいましたよね、ご主人様、僕はとても力が強いって」そう言いながらカジモドは曲がった背骨を砕きながら背筋を伸ばし、見下ろすように威嚇します。

「まさか私を傷つけるつもりじゃないだろうな…!」フロローはうろたえます。

そして意思をなくしたはずの石像たちが一斉に囁く。「君はその気だ…」と。

次の瞬間、カジモドは太い両腕を上げて、フロローを掴み、フロローは大聖堂の垣根を超えた遥か向こうへ投げ飛ばされていきました…

「僕の愛した人たちはみんな横たわっている」再び嗚咽するカジモド。

そこに駆け付けたフィーバス。エスメラルダに駆け寄りますがカジモドから死んだことを告げられ膝から崩れ落ちます。

カジモドはエスメラルダの亡骸を抱え、大聖堂の奥へ消えていくのでした…。

物語は再び語り部調に戻り、その後どうなったのかが語られます。

数年後、大聖堂の地下で二体の白骨死体が発見されました。一体の白骨は背骨がひどく曲がっており、もう一方の首飾りをしていた白骨を抱きしめていたそうです。この二体の白骨を引き離そうとしたその瞬間、背骨の曲がった白骨は砕けちっていったのでした。粉々に…。

語り部たちが、自分の顔に墨を塗って体を歪ませます。この中にはエスメラルダやフロローの姿もあり、同じく顔には醜さの象徴である墨が塗られています。一方でカジモドの顔は綺麗になり、体の歪みも無くなり、普通の好青年へ。

そして最初に問われたあの問いが再び…。

「あなたの心に何かが響いていますように」

答えて欲しい謎がある「人間」と「怪物」

「どこに違いがあるのだろう」

そう高らかに歌い切り、この悲劇の物語の幕を閉じていくのでした。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか!これが『ノートルダムの鐘』の物語です。

恋が実ったのはフィーバスとエスメラルダ。カジモドは最後まで友達でした。

皆さんは「人間」と「怪物」どこに違いがあるのだと思いましたか?最初と最後でその答えに変化はありましたか?

舞台途中で「あなたは怪物よ」と罵られたフロローが「いや私は人間なのだ」と訂正するシーンなど所々にメッセージは隠れていました。

それぞれの心理で考えてみれば、様々な答えが見つかってくると思います。

一般的にフロローは「悪」ですが、カジモドは「善」なのでしょうか?

カジモドは最後にフロローを大聖堂から投げ飛ばし、殺します。これは「善」?現代ならいかなる理由でも殺人を犯せば罪に問われますよね。フロローを殺したのはしょうがなかった?ただの復讐ではないのか?

この点だけを抜き取っても「善」か「悪」か、はたまた「人間」か「怪物」なのか、そんな容易に考えられる答えではありませんよね。

つまり、そういう物語なのです。人間誰しもが持つ「光」と「闇」の二面性。誰しもが「人間」であり、誰しもが「怪物」になり得るのです。

フィナーレでは「あなたの心に何かが響いていますように」と歌います。

私も同じ気持ちです。この物語を知り、たまたま私の記事に辿り着いたことも何かの縁。最後まで読んでいただきありがとうございました。

「あなたの心に何かが響いていますように」